Blog of Kaufmann(日本人です)

とある運動音痴な元自衛隊員(半年)が、漠然とした意思で立ち上げた日記ブログです。テーマが安定せず駄文が多くなることと思いますが、ご覧いただければ幸いです。

映画レビューNo.1「コードギアス 復活のルルーシュ」

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カウフマンの映画レビュー 「コードギアス 復活のルルーシュ
~魔王の再臨、希望の守護者~

 

 


※1ネタバレ普通にしますので要注意

※2私見をだらだら書き述べているだけなので、不快に感じられましたら申し訳ありません。

 ※3上映を見たその日にその熱が冷めないうちに書いています。間違いや勘違いがあるかもしれません。ご容赦ください。

 

 

 

………


新宿バルト9にて序盤を見た際、はっきりとした二つの感情があった。
一つはうつろとなって、か弱き存在となった「ルルーシュを哀れみ、悲しむ心」。
そしてもう一つは、理由はよくわからないがナナリーとスザクをさらい、ナナリーの意識を奪ってガラスケースへと閉じ込め、スザクに対しては苛烈な拷問を行って痛めつける、ジルクスタンの不届きものどもに対する「憎悪の心」だった。

しかし約二時間後。私はかの物語の終わりを見届けた後、形容し難い心境に襲われた。
「虚無」というべきだろうか、終わって「スッキリした」ような、そうでないような、しかし「何処かにモヤつく気持ち」が私の心にへばりつき、そして剥がせなくなった。

斯くして、気持ちを整理するためにこのレビューを、帰りの電車の中で作り始めた。

 

シャリオはスザクとの戦いの中で姉に助けを求めながら爆散し、その他諸々ジルクスタンの「義も無き悪人ども」は、同じように散るか、或いはビリビリ痺れて懲らしめられた。

しかしこの騒動の元凶にして私利私欲を尽くし、過去をギアスの力で無理くり改変せんと企み、未来へと歩み始めた世界に動揺を叩き付けた「シャムナだけ」はCの世界に囚われの身となる、それのみであった。
別に死んだわけではない。だが、陛下のギアスのために永遠に眠り続けることから、生きているとも言い難い。
ジルクスタンの悪人どもは、皆が息絶えた(そうと言えるかわからない連中もいたが)。
ナナリー殿下をさらって道具のように扱い、スザクを痛めつけた連中は皆、死を以てその報いを受けた。

しかしシャムナだけは、「死んだ者たちとともに居られる、ここにとどまり続ける」と言った。この物語における悪役、ジルクスタン陣営の面々の中で、彼女だけが曲がりなりにも「目標を完遂した」のだ。その代償である自らの覚めること無き眠り、臣民の犠牲、そして弟の死をすべて顧みもせず、「過去を漂流し続けること」を選択したのだ(さすがに「後悔」はしていたと思うが)。

だが彼女は「辺獄(リンボ)に囚われた」のであろう。そう考えることもできる。死ぬことも生きることもできない空間を永遠に漂うことこそ、ルルーシュ陛下がシャムナへと与えた罰なのだ。

 

シャムナは、「優しい世界」を「過去に求めた」。
「過去に死んだもの」に求めた。
「過去の過ちを消し去ること」に求めた。
それが人理に背くことであろうとも。

そして陛下が、ルルーシュがその野望を破壊した。
かつて自らの両親を、似たような下らない考えを持っていた先代皇帝シャルルとその皇妃マリアンヌを「消し去った」、あのときのように。

 

過去は、覆すことができない。
それは当たり前なのに受け入れられない人間がいる。
過去に固執して過去の過ちを「正す」のではなく「消し去ろう」とする輩がいる。

陛下と、再び陛下のもとに集った戦友と敵たちは、そのような「虚悪」を叩きのめしたのだ。
自らの正義を追求し、最後まで諦めず、死力を尽くして希望の打撃を与えた。

未来への希望、それを守る力をルルーシュ陛下たちは、戦争と予言に縋るジルクスタンへとお見舞いしたのだ。


まさに勧善懲悪の極み。実に「無難なストーリー」である。


悪逆皇帝の名とともに仇敵であり親友でもあるスザクに討たれたルルーシュ陛下は、この復活の刻にひっそりと王道を貫いた。未来を、明日を求める信義と、ナナリー殿下への家族愛を、仲間とともに貫いた。
公式発表ではコーネリア中将率いる第五艦隊と、特殊部隊に黒の騎士団がジルクスタンへと強襲をかけ、ナナリー殿下を助けたことになる。
ルルーシュの復活と正義の行動は、ジルクスタンの戦いにおける戦友、つまりスザクやカレン、ナナリー殿下などといった者たちしか知りえることはない。

 

しかしながら、陛下の活躍の証人はまだいる。それも大勢。それはこの映画を観た「私達」だ。
私達はルルーシュ陛下の戦友たちと同様に、「彼がいかに世界を救ったか」を知っている。

陛下は、C.C.の不断なる努力と諦めを拒絶する心により、死と虚無の海より目覚め、そして世界と未来への希望の救世主となった。
陰ながら世界の希望を守った彼を讃えられるのは、陛下の戦友たち以外には私達しかいない。
彼の貫いた信念を頂き、そしてそれ糧として未来へと進めるのは、私達しかいない。

 

この映画は、「未来と希望への教訓」である。

 

陛下は架空の存在ながら、未来と希望、そしてそのだけ為にある正義を、現実世界に生きる我らへと嚮導してくださったのだ。
彼の嚮導に我らも従おう。

陛下の、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア陛下の信義は決して潰えない。
この復活劇を経て、真に永遠のものとなったからだ。
陛下が創造された希望は、正義の道は決して侵されることはない。
それは世界に鎮座する霊峰がごとく、そして果てまで広がり続ける、蒼き深き海原がごとくなのだ。

彼の正義は光り輝きて、コードギアスの世界を照らすだろう。
そしてその世界の外にいる、傍観者たる我らが陛下の信奉者となるのだ。

彼に喝采を。未来への希望と意志を教えてくれた、かの賢帝ルルーシュ陛下へと喝采を。

さあ、皆で唱和しよう。かの賢帝を讃え尊敬し、彼のように未来へと突き進もう。

 

ルルーシュ皇帝陛下よ、永遠なれ!

 

オール・ハイル・ルルーシュ
オール・ハイル・ルルーシュ!!
オール・ハイル・ルルーシュ!!!

………

 

 


でも結局「なんか知らんけど手の内読まれてる!?もぉダメだぁ……おしまいだぁ……」になりかけるポンコツな「元」悪逆皇帝。それに拳銃突きつけて「お前はそんな男じゃないだろ!?」と叱咤激励するC.C.さん。やっぱりお前ら結婚しとけよ


でその「元」悪逆皇帝がどうしたかというと、「C.C.だけはギアスの効果を受け付けずに記憶を保つから、利用して探ってみよう」ととても「原始的な」トライ&エラー。

実はすごい根性あるんだよねルル……。

 

何回も何回もまき戻しに耐え、勝利への突破口が開くまで戦いと思考を繰り返し、ついにはその努力をもってシャムナの野望を淘汰するに至った。

つまりは「最終的に悪役どもみんなやっつけて」・「仲間はピンチになりかけることはあっても一人たりとて死ぬことなく」・「ルルーシュが寵愛するナナリーも無事に救助されたよ」というわけだ。
この復活劇とルルーシュの物語は、「何のことはない王道の大団円」を迎えた。

 

しかしこれで「コードギアス自体が過去のものとなる」、そのようなことはまずありえないであろう。

全てに終止符を打ち、ついには(シスコンのルルーシュにしちゃあ意外だったが)「妹離れ」を経て、彼は「L.L.(エルツー)」という名を持つ存在に生まれ変わり、新たな道を歩み始めたのだ。
だが決して孤独ではない、同じく不死身の共犯者C.C.が常にそばにいる。

 

そして最後に興味深いL.L.とC.C.の映像を残して、復活のルルーシュは終わりを告げた。

 

……まさか「復活してハイ、おしまい」とは言うまい。

含みを残して終わった以上、これに続く物語を見なければ満足はしない。二次創作の話にも良いものはたくさんあるが、公式が作り出せるものに敵うことはない。
だがルルーシュの物語は、おそらくこれが終局となる。

しかし、この終わりは「新たな始まり」を意味するものだ。私はそう信じている。

 

信じて待ち続ける。待てるだけ待ち続けてやる。L.L.はいかにしてその後の世界を歩んでいくか。暗躍するか、活躍するか。


すべては、コードギアスの「制作陣の方々」に掛っているのだ。

 

というわけで総論は何か?たった一つだけである。

 

 

コードギアスに愛ある人は、必ず見に行くべきだ!!!」

 

 


さてここまでお目汚し失礼致しました。とにかく復活のルルーシュはおすすめです。
まだ見ていない方へ……。


ぜひとも映画館へ足を運び、大迫力のスクリーンでルルーシュ陛下と、彼を支えてくれているみんなの活躍を目に焼き付けてください!

 

コードギアス、バンザーイ!!(((o(*゚▽゚*)o)))